医療
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パーキンソン病に対するcarbidopa, L-dopa併用療法とbenserazide, L-dopa併用療法の比較検討
印東 利勝
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1985 年 39 巻 12 号 p. 1093-1099

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抄録
L-dopa, carbidopaの10対1の併用療法を39例, L-dopa, benserazideの4対1の併用療法を20例に施行し, 数年間にわたり臨床効果と副作用を両群で比較検討し, 以下の結果を得た. 治療前の障害度は両群同等であつた.
1)臨床効果は最大改善時はParkinson scoreに両群で有意差はなく, Yahr stageではbenserazide併用群で有意にすぐれていた(p<0.05). 最終診察時では, Parkinson score, Yahr stageとも両群間で同等であつた.
2)副作用は上肢のL-dopa induced dyskinesiaがbenserazide併用群で有意に低率(p<0.05)であつた. 消化器系, 自律神経系副作用はcarbidopa併用群でより高率にみられ, 精神症状でも高度なものはcarbidopa併用群のみにみられたが, 有意な差ではなかつた.
3)以上によりL-dopa, benserazideの4対1の併用療法はL-dopa, carbidopaの10対1の併用療法よりすぐれていると推察された
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© 一般社団法人国立医療学会
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