抄録
虚血性心疾患の診断に心電図, 冠動脈造影法の外に, 新しい診断法, すなわち心筋シンチグラムが用いられるようになつた. 狭心症の診断に, 運動負荷を行い, 運動直後および3時間後の201T1像を用い, 従来視覚的定性的分析によつていた. この方法でもSensitivity, Specificityは運動負荷より優れている. しかしその断診基準は不明確である. 今回Circumfe-rential Profile Curveを用いた定量的分析を試みた.
正常者16名に, 運動負荷直後に201T1 3mCi静注した後, 直後および3時間後像よりCircumferential Profile Curveの正常範囲設定をし, さらにWashout Rateの正常範囲40.0±16.1%を得た. この定量的分析による狭心症および心筋梗塞症の診断方法を報告する.