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房室ブロツクを来したカーバメイト系薬剤中毒の1治験例
宇都宮 俊徳玉川 文雄森 秀樹小川 政史松尾 宗祐
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1985 年 39 巻 3 号 p. 253-257

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抄録
カーバメイト系農薬中毒により房室ブロツクを来した症例を報告する.
症例は22才の女で, 昏睡, けいれん, 尿失禁状態で当院に救急入院した. 自殺をを企図して本剤を内服していた. 心電図では, Wenckebach型2度房室ブロツク, ST低下が認められた. やがて心拍数40/分以下となつたため, アトロピン0.5mgを静注し, 140/分の洞性頻脈となつた. また無呼吸のため, 人工呼吸器治療も行つた. 血液ガス検査はpH7.031のアシドーシス, ChEは0.01△PHと低下していた. カーバメイト系農薬中毒は, コリンエステラーゼ活性阻害により症状を呈するが, 循環器症状の記載は少なく, ST低下, 頻脈などが指摘されているのみで, 徐脈性不整脈の報告はまれである. 本例は, コリンエステラーゼ活性阻害によるアセチルコリン過剰が房室伝導を抑制し, さらに強いアシドーシスが加わつて, 房室ブロツクを来したと考えられた.
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