抄録
1977年1月より1980年8月の間に当施設で加療した急性白血病患者のうち, 3年以上の生存例について, 他の症例との年令・病態の差異・維持, 強化療法の内容につき検討した. 年令分布は10~68才に及んだが, 平均年令は32才で早期死亡例のそれに比し有意に低かつた. 初診時の血液学的所見では, 長期生存に影響する要因は見出せなかつた. 寛解導入療法はANLLにおいてBH-AC・DMPないしはDCMP療法が施行されたが, ALLでは一定の傾向はない. 長期生存例では再発率は低く, 再寛解導入には全例が成功している. 再発例の治療法はANLLにおいてVDS・BH-AC・ACR・Pred. の組合せが良い成績であつた. 短期生存例と長期生存例の再発例につき, 再発直前の治療を調査したところ, VEMP療法よりもDCMPないしはBH-AC・DMP療法が多いことが判明した, CNS relapseを含め再発例は全例最終的に死亡しており, 今後特に再発例に対してはBMTなどの強力な治療が必要であると考えられる.