抄録
昭和54年に小児慢性疾患管理治療に関する研究会 (会長 国立療養所盛岡病院院長根元紀夫) が再編成されて本年で7年目に至る. 本研究会は小児慢性疾患全般を対象にしたものであり, 現在国立療養所には2500人以上の子供たちが入院加療中といわれるが, その対象疾患は気管支喘息, 腎疾患を軸に, 膠原病, 心疾患, 小児糖尿病, 重度肥満症, 血友病その他と多岐にわたにつている. したがつて本研究会の研究テーマも, 決して単一疾患に集中することはできない. また各疾患群も多面性を持ち, 基礎的な問題から, 臨床的な問題まで未解決の部分が山積している. したがつて研究内容も各施設ごとにかなり広範囲にわたることはやむを得ないと思われる. すでに6年にわたる研究成果が, 各研究年報として編集され6冊に及んでいる. ここに6年間の研究の流れを概説し, 研究会の活動の一端を紹介したい.