抄録
全国60施設の国立療養所に脳血管障害後遺症を持つ患者のADL, およびリハビリテーシヨン阻害因子などについてのアンケート用紙を配布し, 37施設, 合計1175人の患者の回答を得た. 男女別内訳は男性624人, 女性551人で, 平均年令は68.5才±11.0才である. 性, 年令, 病型診断, 麻痺発症後の期間, および意欲, 半側空間失認, 深部知覚障害, 失語などの有無, そして長谷川式簡易知能評価スケールなどが患者のADL能力に与える影響の程度をロジステイツク回帰分析を用いて定量的に表した結果, その大きさは意欲め有無が最大で, 以下左半側無視, 深部感覚障害, 性差, 年令などの順番となつた.