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結核菌のRifampicin耐性とTween80利用能の関係
束村 道雄矢加部 茂竹尾 貞徳前川 宗一郎吉田 康洋池尻 公二
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1986 年 40 巻 2 号 p. 140-144

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抄録
結核患者の喀痰から分離された結核菌株では, RFP感受性はしばしばTween 80の発育への利用能と共存し, 一方, RFP耐性はこの欠如と関係していた. EB耐性に関しては, このような関係は観察されなかつた. 患者株から試験管内で分離したRFP耐性株では, Tween 80利用能の喪失はみられなかつた.
RFP耐性とTween 80利用能の欠如の密接な関係は, 上述のごとく, RFPを使用した患者から分離した株でのみ認められるものであるが, この現象は, ある未知の選択的過程が働いて, 異なる遺伝子にもとづく2つの性状が同一細胞に共存したことによるものと思われる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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