抄録
肺結核患者の末梢血リンパ球を, モノクローナル抗体とフローサイトメトリー法を用いサブセツトに分類し, 検討を加えた.
肺結核患者では, OKT4(+)細胞が減少しており, OKT4/OKT8は低下していた. OKT3/(OKT3+OKIa1)も低値を示したが, OKMI(+)細胞は増加していた.
化学療法に抵抗し, 排菌を持続した患者では, OKIa1(+)細胞が増加し, OKT4/OKT8は増加傾向を示した.
化学療法剤に対し, 耐性の高い患者では, OKT8(+)細胞の減少と, OKT4/OKT8の上昇が認められた.
以上の成績は, OKT4/OKT8が, 病勢や免疫反応の強さを反映し, 肺結核患者の評価上, 有用である可能性を示すものと思われた.