医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
痙攣重積状態に対するバルプロ酸とAcetazolamide大量投与の併用療法の効果
東 英一川崎 肇駒田 美弘永田 憲男飯田 光男吉住 完
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 40 巻 4 号 p. 361-364

詳細
抄録
痙攣重積状態を呈したバルプロ酸(VPA)服用中の症例でacetazolamide(Diamox: 以下「DX」と略)の大量投与により著明に改善した症例を経験した.
症例1(TH): 14才男児で脳性麻痺, 精神発達遅滞, 全身性強直性間代性痙攣(GTC)がある. 上気道炎罹患後に痙攣重積状態となりdiazepam無効であつたが, VPA投与量は変更せずに, 大量DX(60mg/kg/日)にて痙攣は止まつた.
症例2(HM): 23才男性でLennox症候群, 精神発達遅滞. 抗痙攣剤変更中に重積状態となり, diazepamでやや改善したがGTC頻発するため, VPA投与量は変更せずに, DX大量投与を行いGTCは消失した.
diazepam静注が痙攣重積状態では第1選択剤であるが, これが無効または効果が低い時でもVPA+DX大量療法は著効を示した.
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top