医療
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脊椎骨粗鬆症の治療経験
浅井 春雄荻野 幹夫古谷 誠蜂須賀 彬夫瀬川 満前田 泉
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キーワード: 骨粗鬆症
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1986 年 40 巻 8 号 p. 689-692

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抄録
昭和53年1月から58年12月までの6年間に当科外来で治療した脊椎骨粗鬆症は延べ325例であつた. これらについて, 臨床症状, 治療方法・期間, 治療効果などを検討した.
性別は, 女298, 男27例. 初診時年令は, 27才から89才にわたるが, 多くは50才代に始まり, 70才代が最多数であつた. 27才の1例は妊娠後骨粗鬆症, 他はすべて閉経後又は老年性骨粗鬆症であつた. 臨床症状は腰・背痛, 下肢痛が多かつた.
治療は, 安静と消炎鎮痛剤のみの投与をうけた急性期症状を示すものが最も軽快率が高く, 1ヵ月以内に治療が終つていた. これに加えてCa剤, V. D剤, 蛋白同化ホルモン, 女性ホルモン, カルシトニン剤などの投与をうけた慢性症状群では, いずれによつても約70%の軽快率で, 有効例は2年以内に治療が終つていた. 2年をすぎても強い疼痛が出没するものが4例あつたが, 有効例との差を明らかにできなかつた.
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