2016 年 13 巻 1 号 p. 41-44
骨盤臓器脱に対するminimal mesh surgeryのひとつであるUpholdTM型TVM手術(TVM-UP)の治療成績について報告した。TVM-UPでは閉鎖管へ向かう剥離操作を省略できるため、同操作に伴う出血や尿管損傷などの合併症を回避できる期待がある。出血量や手術時間は対照群として設定したTVM-A群より有意に少なく、本術式の安全性が確認された。術後再発も少なく治療成績は良好であり、経腟メッシュ手術における選択肢のひとつとなりえることが示唆されたが、手術適応や穿刺ルートに関しては詳細な検討を要すると思われた。