医療
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血中膵型アミラーゼ低下症例の検討
若杉 英之桑野 和夫山田 幸生蔵本 裕一原 泰寛安部 宗顕
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1987 年 41 巻 1 号 p. 43-48

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抄録
血中アミラーゼ・アイソザイム測定の臨床的意義について検討した. 消化器疾患247症例において, 血中膵型アミラーゼの総アミラーゼに対する比率が20%未満の症例は20例(8.1%)あり, 慢性膵炎10例(石灰化7例), 膵癌5例(放射線治療i4例), 胃切除(Billoth皿)後吸収不良症候群1例, その他4例であつた. 膵外分泌能検査(pancreozymin-secretin試験)施行47症例中アミラーゼ排出量および最高重炭酸濃度低下6例全例, アミラーゼ排出量または最高重炭酸濃度低下5例中2例の計8例で, 血中膵型アミラーゼの低下がみられ, 膵外分泌能正常の36例では, その低下はみられず, 血中膵型アミラーゼは膵外分泌機能をよく反映した. 上記20症例の血清総アミラーゼ低値0/20(0%), elastase 1低値9/20(45%), カロチン低値12/15(80%), 耐糖能障害12/20(60%), インスリン治療6/20(30%)であつた.
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