限局性胸膜中皮腫の5手術例を経験したので臨床的検討を加えた. 性別は♂3, ♀2, 年令は29~74才, 3例が悪性, 2例が良性である. 腫瘤発生部位は肺側3, 胸壁側2で, その基底部の状態は有茎性が1例で, 他は広基性である. 自覚症状は2例に胸痛, せき, 血疾を認め, 他は無症状である. 関節痛, バチ指(-). アスベストとの関連はみられない. 診断は摘出標本の組織学的検査で確定した. 予後は胸壁合併切除の1例が術後再発, 転移をおこし, 集学的治療を行うも8ヵ月後に死亡した. 他の4例は健在中で慎重に経過を観察している.