医療
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限局性胸膜中皮腫の1例
船戸 善彦堀田 哲夫斉藤 一史鳥居 敬福岡 秀樹
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1987 年 41 巻 10 号 p. 879-881

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抄録

良性胸膜中皮腫は比較的まれな疾患で手術療法が良い適応となる.
最近われわれは本腫瘍を経験した. 患者は58才の女性で, 自覚症状はなく, 検診の胸部X線写真で偶然に発見された.
諸検査の後に腫瘍切除を行つた. 腫瘍は肺胸膜より有茎性に発育しており, 表面は平滑で硬く, 割面は分葉状であつた.
組織所見は, 線維細胞と密な膠原線維より成り, 限局性中皮腫のfibrous typeと診断した. 腫瘍が臓側胸膜発生か, 壁側胸膜発生かの鑑別には, 腫瘍陰影の呼吸性移動の証明が本例では役立つた.
一般に本腫瘍は組織学的には良性であるが再発例も報告されているので, 腫瘍は周囲の健常肺も含めて切除し, 術後も, 定期的な観察が必要である.

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