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小児急性リンパ性白血病における中枢神経系浸潤
武田 武夫畑江 芳郎中舘 尚也畑山 由起子信太 知
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1987 年 41 巻 11 号 p. 946-950

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抄録

小児癌白血病研究グループで1972年から1985年の間に扱つた476人の小児ALLについて, CNS白血病の発生率を検討した. 評価可能例455例中216例(47.5%)が再発した. うち76例で初回再発の部位がCNSであつた(35.2%). このうちCNS単独再発は62例であつた.
CNS再発の率は頭蓋予防照射群で6.2%と, 非照射群26.9%に比較して有意に低かつた. ハイリスク群でのCNS再発率は14.6%であり, スタンダードリスク群の8.9%に比較して有意に高かつた. CNS再発後の生存率は8年後10%であつた.
CNS白血病についての寛解導入後の維持療法について, 薬剤の髄注の間隔が8週間よりも4週間の方が効果的であることを示唆する症例を提示した.

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© 一般社団法人国立医療学会
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