Rh E不適合による新生児溶血性疾患の同胞例を報告した.
母親は初妊娠, 血液型はB型, CCDee. 妊娠前に子宮筋腫の手術の際, 1,000mlの輸血の既往があつた.父親の血液型はA型ccDEEであつた.
症例1(兄), 出生体重3,1609, 39週, 帝王切開, O型, CcDEe. 生後3日の総ビリルビン27.4mg/dl, 光線療法およびO型血液により交換輸血を行つた.
症例2(妹), 出生体重3,330g, 40週, 帝王切開, O型, CcDEe. 臍帯血, 直接クームステスト陽性, 総ビリルビン3.9mg/dl, 生後24時間の総ビリルビン12.4mg/dlのため, O型血による交換輸血および光線療法を行つた, 分娩後の母体間接クームステスト1,024倍. 不規則抗体検索により, 抗E抗体を証明した. 日本人ではRh E陰性者が約50%であるため, E不適合は高率であり, 輸血に際し, ABO, Rh DのみならずRh Eの検索が必要である.
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