医療
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慢性炎症性腸疾患の栄養療法
遠藤 克博鶴井 顕鵜浦 章佐藤 恒明渡辺 晃
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1987 年 41 巻 12 号 p. 1022-1027

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抄録
慢性炎症性腸疾患の栄養療法について活動期のクローン病, 緩解期のクローン病, 重症型の潰瘍性大腸炎を対象として検討した. 1)活動期のクローン病延べ29例にED(elemental diet)を投与したところ, 著効21例, 有効7例, 無効1例であり, 活動期クローン病にEDは有効であると考えられた. 2)緩解期のクローン病5例に対し半消化態栄養剤を投与したが2例では再燃を防ぎえなかつた. 3)緩解期のクローン病5例に対し在宅成分栄養療法を行つたが, これまで再燃により入院を繰り返していた患者が外来にて経過観察可能となつており, 本法は緩解期のクローン病に有用と考える. 4)重症型潰瘍性大腸炎4例にEDを投与したが全例で無効であり, EDは重症型潰瘍性大腸炎に適応ではないと考えられた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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