抄録
パーキンソン病34例を対象に血漿3-O-methyldopa及びdopa動態を検討した. 長期L-dopa療法患者のうち運動症状の日内動揺の著しい広義のon-off現象を有する15例は, 他の臨床背景が類似している陰性12例と比べてdopaとDCI 1日投与量が有意に多量で, かつ血漿3-OMD値が異常高値を示していた. 初回投与例ではこのような3-OMDの高値はみられなかつた. したがつて広義のon-off現象の一因として, 末梢での3-OMD異常高値がdopaの脳内取り込みを抑制する可能性が示唆され, 興味深く思われたので報告した.