抄録
視野異常を示した小児の心因性視覚障害66例につき分析した. 年令は6才~15才で女児が男児の2倍を占めた. 視力低下, らせん状視野が半数以上に認められた. 屈折異常は軽く, 正視~遠視が80%以上で, 視力はPlane lensにより90%以上が3段階以上の向上を示し, 1.0以上の最終視力を示すものが83%あつた. 打消法も70%に有効であつた. 聴力障害を合併するものがみられた. 誘因としては家庭内, 学校内にあるものが60%以上を占めた.
治療はよく話しを聞き, アドバイスを与えることが主となり, 単に視力視野の向上を目的とするだけでなく, 原因解決を目標とすべきであると思われた.