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頭頸部癌の放射線治療成績
第3報 咽頭癌, 舌・口腔癌
藤村 憲治新里 仁哲渡辺 桂吉土生 健二郎平山 晴章
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1988 年 42 巻 4 号 p. 316-319

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抄録

10年間の咽頭癌, 舌・口腔癌の放射線治療例の臨床的検討と治療成績の分析を行った.全例外照射主体の治療であつた.
1) 咽頭癌(39例)の部位別5年生存率は, 上咽頭(9例)35%と良好であつたが, 中咽頭(17例)13%, 下咽頭(13例)10%と不良であつた. 中咽頭では50Gy以上照射例が48%と, 低照射線量が不良の要因と考えられた.
2) 舌癌(20例)の5年生存率は28%, 5年以上生存3例はいずれも手術との併用治療で, 放射線単独治療による生存例はみられなかつた.
3) 口腔癌(30例)の5年生存率は27%であつた. 歯肉癌3例, 頬粘膜癌2例の5年以上生存例がみられたが, 口腔底癌は予後不良であつた.
舌・口腔癌における組織内照射の必要性と急性障害軽減への努力が求められた.

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