医療
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口腔悪性腫瘍術後の再建法の検討
五百 蔵一男小林 ちづ子大峰 浩隆松本 めぐみ福崎 博生福武 公雄原科 孝雄
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1988 年 42 巻 4 号 p. 325-331

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抄録

再建手術の進歩は口腔癌の進行症例や再発症例に対する根治手術において, 安全で十分な切除を可能とし, そのうえ術後の機能や形態の回復が得られ患者の社会復帰に貢献している. 我々は1976年4月より1986年6月までの約10年間に202例の口腔悪性腫瘍患者の治療を行つたが, 再建手術を必要とした症例はそのうち30例であつた. その再建手術の変遷と問題点について検討した. 初期には有茎皮弁を用いていたが, 最近われわれは微小血管柄付き前腕皮弁と遊離小腸移植を用いて良好な成績をあげている. 1983年に遊離空腸移植を, 1984年に前腕皮弁移植を用いはじめ, 4年間で6例の遊離空腸移植, 8例の前腕皮弁移植, 1例の遊離骨皮膚鼠径皮弁移植と肩甲皮弁移植1例を行つた. 特にわれわれは術後の機能障害を少なくするために舌半側切除症例には遊離空腸移植を用いて良好な結果を得ている.

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