医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
ミクロゾーム薬物代謝酵素誘導剤投与にともなう血清酵素活性の変動とその個体差について
荒木 英爾和田 佳子
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 42 巻 9 号 p. 834-839

詳細
抄録

ミクロゾーム薬物代謝酵素の誘導剤であるフエノバルビタール・フエニトイン製剤(Hydantol F)の初回投与6例について, 投与前後の血清酵素GOT, GPT, LDH, GGTP, ALP, LAPなどの活性変化を経時的に観察した.
血清GGTP活性は研究対象とした全例で上昇したが, その上昇開始時期, 上昇の勾配, 最高値などについては個体差が示された. なお, 血清GPTが研究対象6例のうち5例で上昇した点が注目された. その他, 血清ALP, LAPの上昇, LDHの上昇が各1例で認められた.
フエノバルビタール・フエニトイン製剤投与時にはGGTPの誘導の他に, 肝細胞膜の透過性の異常も存在すると推察された.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top