1988 年 42 巻 9 号 p. 834-839
ミクロゾーム薬物代謝酵素の誘導剤であるフエノバルビタール・フエニトイン製剤(Hydantol F)の初回投与6例について, 投与前後の血清酵素GOT, GPT, LDH, GGTP, ALP, LAPなどの活性変化を経時的に観察した.
血清GGTP活性は研究対象とした全例で上昇したが, その上昇開始時期, 上昇の勾配, 最高値などについては個体差が示された. なお, 血清GPTが研究対象6例のうち5例で上昇した点が注目された. その他, 血清ALP, LAPの上昇, LDHの上昇が各1例で認められた.
フエノバルビタール・フエニトイン製剤投与時にはGGTPの誘導の他に, 肝細胞膜の透過性の異常も存在すると推察された.