重症心身障害児・者の骨脆弱性について第2中手骨のマイクロデンシトメトリー法で検討した. 1) 骨皮質幅指数MCIは104例中37例で低下, 骨密度の指標ΔGSmax, ΔGSmin, ΣGS/Dは各々25例, 28例, 34例で低下し, 骨皮質の菲薄化と骨塩の減少が示唆された. 寝たきり群で低下症例が多く, immobilizationが骨脆弱性に大きく関与すると考えられた. 2) 血清25-OH-D3, 1α, 25-(OH)
2-D
3は正常範囲の低め, 血清カルシウム, 無機燐, アルカリフオスフアターゼ, 副甲状腺ホルモンは正常であつた. 3) 1α-OH-D
3投与(0.16±0.03μg/kg/日)1年後, ΔGSmin, ΔGSmax, ΣGS/Dは有意に改善したが, MCIは有意な増加はみられず, 骨皮質幅には運動量の低下がより強く影響しているものと考えられた. 重症心身障害児・者では, 運動能力の退行を来す要因を避け, 運動量の拡大の工夫が重要と考えられた.
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