医療
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咽喉頭異常感症に対する随証治療による漢方薬の効果の検討
岡 孝和松浦 達雄
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1989 年 43 巻 10 号 p. 1038-1040

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抄録
咽喉頭異常感症に対し, 半夏厚朴湯を始めとする漢方薬が有効であるという報告が散見されるようになつてきた. しかしながら, 従来の報告のほとんどは漢方独自の証に基づいた治療成績とはいい難い. そこで今回, 我々は, 咽喉頭異常感症患者にみられる証, 及び証を考慮した場合の治療効果を検討した.
腹証では, 胸脇苦満(47%), 心下病硬(33%), 臍傍圧痛(20%)が高頻度にみられ, 気血弁証では, 咽喉頭異常感(気滞)に加え, 〓血の合併(20%)が高かつた. これらの結果に基づいて漢方薬を処方したところ, 従来の半夏厚朴湯単独投与より高い有効性(やや有効以上87%)が得られ, 証に基づいた治療が必要であることが示された.
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© 一般社団法人国立医療学会
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