医療
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大腸内視鏡検査上潰瘍性大腸炎と類似所見を呈した出血性大腸炎の1例
小畑 伸一郎前田 和弘木村 圭志佐藤 昌彦真田 功松村 克己東 輝一朗紫藤 忠博三浦 和典
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1989 年 43 巻 12 号 p. 1345-1347

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抄録
急性出血性大腸炎は, 急激に発症し大量の出血をきたす. 本症の大部分はABPCなどのペニシリン系の抗生物質により生じ, 深部大腸が好発である. 今回, 我々はスルバクタム・セフオペラゾン(S/C)によるとおもわれた出血性大腸炎の1例を経験したので報告する. 症例は44才男性, 右肩腱板不全断裂術後S/Cの投与を受けた. 投与3日目より下腹部痛, 水様下痢10行/日, 下血を生じ大腸内視鏡検査にて直腸よりS字結腸にかけて発赤びらんおよび血液付着を認め, 潰瘍性大腸炎と類似の所見を呈した. 便培養検査ではKlebsiella oxytocaが検出され, 本症例の発症には, S/Cの特徴的な体内動態とK. oxytocaの関与が示唆された.
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© 一般社団法人国立医療学会
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