医療
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悪性Brenner腫瘍の1症例
佐藤 孝早乙 女智子市丸 恭子吉武 明子寺師 恵子加藤 賢朗箕浦 茂樹
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1989 年 43 巻 12 号 p. 1348-1351

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抄録
悪性Brenner腫瘍は非常にまれな卵巣腫瘍として知られている. 今回我々はその1例を経験したのでここに報告する. 症例は57才の家婦で下腹部腫瘤を指摘され, 卵巣腫瘍の疑いにて当院に入院した. 超音波検査, 骨盤CTなどにて充実性部分と嚢胞性部分の混在した腫瘍を認め, 卵巣悪性腫瘍の疑いにて手術施行した. 左卵巣は小児頭大の灰白色の腫瘍を形成し, その他骨盤内に肉眼的異常を認めなかつた. 組織学的には腫瘍は移行上皮癌, 扁平上皮癌様の上皮包巣, 線維性間質にて形成され, 明らかな間質浸潤を伴い, 尿路系などの腫瘍を否定したため悪性Brenner腫瘍と診断された. 術後PVB療法を施行し, 16ヵ月後second look laparoscopy施行したが再発兆候を認めていない.
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