抄録
過去4年間に700例の全結腸鏡検査を行い691例, 98.7%の盲腸到達率を得た. 内視鏡的ポリペクトミー症例を含め重篤な偶発症はなく安全な検査法と考えられた.
内視鏡的ポリペクトミーした141例中119例, 84.4%は腫瘍性ポリープ(腺腫:101, 早期癌:18)であつた. 大腸早期癌は18例, 20病変(m癌15, sm癌5)であり, 15病変に腺腫の併存をみたが, 腺腫非併存の1例は径5mmの平坦なm癌であつた.
adenoma-carcinoma sequenceの立場に立ち, ポリープを発見次第, 内視鏡的にポリペクトミーすることは大腸癌の予防, 治療上重要と考えられた.
一方, de novo cancerの存在も念頭におき, 隆起病変のみでなく, 平坦ないしは陥凹型の病変の発見につとめることも, これからの大腸内視鏡医に求められるところであろう.