医療
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全結腸鏡700例の検討
池田 正仁調 憲北村 昌之野田 尚一家永 睿加藤 哲男
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1989 年 43 巻 3 号 p. 285-290

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抄録
過去4年間に700例の全結腸鏡検査を行い691例, 98.7%の盲腸到達率を得た. 内視鏡的ポリペクトミー症例を含め重篤な偶発症はなく安全な検査法と考えられた.
内視鏡的ポリペクトミーした141例中119例, 84.4%は腫瘍性ポリープ(腺腫:101, 早期癌:18)であつた. 大腸早期癌は18例, 20病変(m癌15, sm癌5)であり, 15病変に腺腫の併存をみたが, 腺腫非併存の1例は径5mmの平坦なm癌であつた.
adenoma-carcinoma sequenceの立場に立ち, ポリープを発見次第, 内視鏡的にポリペクトミーすることは大腸癌の予防, 治療上重要と考えられた.
一方, de novo cancerの存在も念頭におき, 隆起病変のみでなく, 平坦ないしは陥凹型の病変の発見につとめることも, これからの大腸内視鏡医に求められるところであろう.
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© 一般社団法人国立医療学会
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