医療
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胆管癌長期生存例の検討
大西 英胤近藤 喬宇都宮 利善篠原 央別所 隆高浪 厳鈴木 卓井本 茲泉家 久直平川 均関 泰
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キーワード: 胆管癌の長期成績
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1989 年 43 巻 3 号 p. 291-295

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抄録
胆管癌自験53例のうち, 3年以上の長期生存例は10例(18.9%)であり, この10例を中心として長期生存の因子を検討した. 全例切除例であり, 占居部位は中下部胆管癌が10例中9例を占めている. 肉眼型は結節型が多く(9例), またリンパ節転移はn1まで, 深達度はs(-)が望ましいが, s1まであれば長期生存が期待される. stage別では, stage IIまでに良好な結果が得られ, 切除例のstage Iでは75.0%, stage IIでは53.8%が長期生存した. 切除縁癌浸潤の有無では, やはりhw, dw(-)が9例と大半を占めている. 手術術式は, 占居部位との関連で考えねばならないが, 上部胆管癌で, 最も長く胆管切除を行い得る拡大肝右葉切除を行つても長期生存は得られなかつた.
中部胆管癌は, 比較的早期の症例が多かつたためか, 胆管切除だけで7例中5例(71.4%)が長期生存した. 下部胆管に対する膵頭十二指腸切除は44.4%が長期生存した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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