医療
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軟部腫瘍並びに腫瘍様病変の臨床病理学的検討
―主として皮下腫瘤を中心として―
柴崎 信悟俣野 一郎村上 穆渡辺 晃
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1989 年 43 巻 3 号 p. 307-311

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抄録
国立水戸病院病理において, 過去5年間に検索した軟部組織腫瘍並びに腫瘍様病変は1104件であり, 同時期の病理組織診件数15,834の約7%に相当する. 主として皮下腫瘤を主訴として来院し, 摘出された, これら1140病変について, 臨床病理学的検討を加え報告する.
年度別にみるとやや増加の傾向がみられ, 男536例, 女568例で性比に大差なく, 年令別では各年令層に分布するが, 青壮年層に多くみられる. 組織型別では, 皮膚由来511病変(44.8%), 結合織由来74病変(6.5%), 脂肪織由来240病変(21.1%), 筋肉組織由来21病変(1.8%), 脈管由来112病変(9.8%), 神経由来49病変(4.3%), 滑膜由来63病変(5.5%), 悪性腫瘍41病変(3.6%)などである.
軟部組織腫瘍組織分類に準拠すると, 病変は487病変(悪性例17例を含む)であり, これら症例を中心に, 文献的検討を加え, 軟部組織腫瘍の概要を述べる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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