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小児気管支喘息の発作時における在宅酸素療法の検討
中井 正二勝沼 俊雄近藤 隆二金本 秀之赤沢 晃小田島 安平小幡 俊彦飯倉 洋治
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1989 年 43 巻 4 号 p. 468-472

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抄録

気管支喘息発作に対して, 手軽な酸素供給装置(O2パツク®)を使用し, その効果をみた. 中等症の気管支喘息児8名に行い, ピークフロー値は有意な上昇を示し, 呼吸困難, 喘鳴など, 臨床症状も改善の傾向を認めた. 副作用は特に認めず, 総合臨床効果は, 著効3名, 有効3名, 不変2名であつた.
また, 気管支拡張剤吸入療法で酸素を併用したときの効果を検討した. 1秒量(FEV1), V50, 努力肺活量(FVC)において, 予測値に対する%表示にて表わした変化を, 酸素を併用した群としない群とで検討した. 全体に, 酸素併用の方がよく改善される傾向にあり, 吸入前と吸入後の%FEV1値の差による改善度では, 酸素吸入併用の方が有意に改善していた. 酸素投与による副作用はみられなかつた.
今後, 家庭内での気管支喘息発作時の酸素療法は, より広く行われてよい方法と考えられた.

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