医療
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単純性肥満症の超低カロリー食(オプテイフアスト)による半飢餓療法の有用性と安全性に関する研究
岡嶋 泰一郎
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1989 年 43 巻 6 号 p. 651-654

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抄録
近年欧米で開発され, 本邦でも使用され始めた超低カロリー食, オプテイフアストを用い, 単純性肥満症20例で半飢餓療法を施行し, その有用性と安全性を検討した. 全症例とも中等度~高度の肥満で高脂血症, 高尿酸血症ほか肥満による合併症がみられた. オプテイフアスト1包を180ccの水に溶解し1日5回(計420Cal, 蛋白70g, 糖質30g, 脂質2g, ビタミン, ミネラルを含む)服用させ, 他にカロリーのない水分21を取らせた. 治療期間中は普通の日常生活は制限しなかつた. 体重, 血圧, 尿中ケトン体, 肝腎機能, 血清脂質, 血糖, 血圧などを定期的に測定し, また体蛋白喪失時に低下するソマトメジンC値の変動を観察した. 全症例において短期間で有意の体重減少がみられ重篤な副作用はなかつた. ソマトメジンCも治療前後で不変であつた. 以上よりオプテイフアストによる肥満症の治療は有用かつ安全なものであると考えられた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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