医療
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触知不能乳癌の検討
白松 一安堀部 治男田澤 洋一鈴木 一郎西澤 直伊藤 力高澤 博
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1989 年 43 巻 6 号 p. 655-659

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抄録
昭和60年4月から62年5月までに当科で経験した触知不能乳癌は5症例, 6乳腺であつた. 全症例マンモグラフイーによる石灰化像で悪性, または悪性を疑い原則として生検を施行した. 同時期腫瘤を触知せず石灰化像を指標に生検を施行した病変のうち, 27病変が良性であつたが, このうちの4病変の石灰化像は悪性との鑑別が特に困難であつた.
手術はBrが1症例, 2乳腺に, Br+Axが4乳腺に施行された. すべて浸潤性乳管癌であつた. しかし癌の大部分は乳管内であつた. 全例に非浸潤癌ないし良悪性境界病変が多発していた. 2例がf(+), 1例が1y(+)で他はf(-), 1y(-), またすべてv(-)であつた. 腋窩郭清を施行した4例のうち1例がn他はn0であつた. したがつて手術はBr+Axの縮小手術が標準となろう.
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© 一般社団法人国立医療学会
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