医療
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小児急性リンパ性白血病・悪性リンパ腫に併発した水痘帯状疱疹ウィルス感染症に対するAcyclovirの治療
畑江 芳郎武田 武夫中舘 尚也畑山 由起子佐竹 明遠藤 真理
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1989 年 43 巻 7 号 p. 778-782

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抄録

小児期急性リンパ性白血病(ALL)および悪性リンパ腫(NHL)に併発した水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症に対してアシクロビール(ACV)を使用し, その治療効果・副作用を検討した.
ACVを使用したのはVZV感染症に罹患したALL 6例, NHL 1例で, いずれも化学療法直後の例が多かつた. ACVは5mg/kg×3/day点滴静注を7日間行つた. 重症水痘は3人にみられた. 脳炎および肺炎を併発した1例ではACV 1回投与量を10mg/kgまで増量した.
検討した症例は少ないが, 水痘罹患・DICを併発し, 急激な経過をとつたALLの1例を除き, ACV投与は有効または著効であつた.
副作用をみるため, ACV投与前後での腎機能・肝機能・血液学的変化をみたが, 特記すべき変化はみられなかつた. これらの結果から判断すると, ACVはVZV感染症に対して極めて有効な薬剤と考えられた.

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