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二次性副甲状腺機能亢進症に対する外科治療の検討
磯本 徹船木 治雄広瀬 脩二小野田 忠飯塚 紀文遠山 純子須藤 睦雄
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1989 年 43 巻 8 号 p. 825-830

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抄録

慢性腎不全患者の血液透析例で, 二次性副甲状腺機能亢進症を発症した症例のうち, 保存的療法に難渋した8症例に対し, 副甲状腺全摘+前腕筋内自家移植術を施行し良好な成績を得た. 症例は, 男性5例, 女性3例で, 手術時年令は平均45.5才, 手術時までの透析期間は平均11年4ヵ月であつた. 全例で骨関節痛や精神症状などの臨床症状があり, 画像診断で副甲状腺腫瘤を認め, 高PTH血症がみられた. 摘出副甲状腺は全例で1腺以上の腫大がみられ, 総重量は平均3.7gであつた. 形態的には, 6例が過形成型, 2例が腺腫型を呈し, 組織学的には全例とも, 主細胞の増生が著しい過形成の像であつた. 異所性副甲状腺は2例にみられ, 甲状腺癌の合併が1例にみられた. 術後1例で高PTH血症が持続したが, 機能低下例はなく, 前腕移植腺の再発が2例でみられた.

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© 一般社団法人国立医療学会
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