医療
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慢性関節リウマチ(RA)膝における鏡視下滑膜切除術の成績
和田 研近藤 正一三浦 裕正時任 毅篠原 典夫横山 庫一郎川島 聡
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1990 年 44 巻 6 号 p. 596-600

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抄録
慢性関節リウマチ(RA)の36例68膝に対する関節鏡視下滑膜切除術の短期成績について検討した. 術後成績の良好群は, 期間がたつにつれて徐々に減少していく傾向にあり, 2年目で約60%であつた. また多関節に症状の強い症例が成績不良である傾向がみられ, 術前のLansbury指数が70未満のRA活動性の低い症例の術後成績は2年目まで約70%が良好であつたのに対し, 70以上の活動性の高い症例では2年目で50%が良好であつた. この鏡視下滑膜切除術は, 患者への侵襲が小さく術後訓練も必要としない. このことより, たとえ効果の持続が短期間であるとしても, RAの全身コントロールが不十分で, 頻繁にステロイド注入を行わなければならないような初期のRA膝に対しても適応のある治療法と考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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