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上行結腸リンパ管腫の1例
池田 正仁宮嵜 和則岩田 健家永 睿
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1991 年 45 巻 12 号 p. 1186-1190

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抄録
著者らは大腸内視鏡検査により上行結腸リンパ管腫と診断し得た1例を経験したので文献的考察を加え報告した.
症例は42歳, 男性. 胆石症の術前に本人の希望により大腸内視鏡検査を施行したところ上行結腸に径約20mmのほぼ球状の変形性に富むcushion sign陽性で半透明の腫瘤を認めた.
注腸X線造影でも同部にX線透過性の亢進した球形の隆起を認めた. 両所見より上行結腸リンパ管腫と診断した.
内視鏡的ポリペクトミーの可能性も検討したが, 胆石症で開腹予定であったので胆嚢摘出術の際, 同時に外科的に切除した.
組織学的には嚢状リンパ管腫と診断された.
治療としては, これまでは経腹的処置が主体であったが, 近年の内視鏡技術の進歩により径20mm程度のものには内視鏡的ポリペクトミーが, またそれ以上の大きさのものでも若干の前処置により内視鏡的ポリペクトミーが可能になると報告されている
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© 一般社団法人国立医療学会
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