抄録
平成3年度に当院に入院した90歳以上の患者20名の病態および死因に関して検討した.
1)90歳以上の患者は平成3年度中の新入院患者の4.6%をしめる.
2)悪性腫瘍と呼吸器疾患が入院時の疾患としては多かった.
3)死亡例は6例で悪性腫瘍3例, 肺感染症2例, 窒息死1例であった.
4)すべての患者に肥満はなく, 痩せ傾向にあるが, アルブミンは正常域で, コレステロールも低く血糖値も高くない.
5)病気に対する治癒退院への期待があり, 退院への家族の受け入れも良い.
6)寝たきり, 痴呆の程度は70歳台, 80歳台の患者より少ない.