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Stage IV胃癌270例の臨床病理学的特徴と予後に関する検討
前川 宗一郎池尻 公二穴井 秀明竹尾 貞徳矢加部 茂古山 正人朔 元則
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キーワード: 胃癌
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1993 年 47 巻 6 号 p. 399-404

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抄録
当院で経験したStage IV胃癌270例について検討した. 組織型は若年者では低分化型が多く, 高齢化に従い高分化型が増える傾向にあった. また, A領域では高分化型が占める割合が高かった. Stage IV規定因子ではS3が最も多く, H1-3はA領域に, P1-3はAMC, C領域で多く認められた. 因子の数は, 単独因子によるものが51.3%, 複数因子によるものが48.7%とほぼ同率で, 規定因子数が増えるに従い切除率は低下した. 予後は切除例で5年生存率7.5%だったのに対し, 非切除例では2年以上の生存はなく, 腫瘍の積極的な切除が予後向上につながると考えられた. しかし, 切除例でも肝臓転移症例や腹膜播種症例では他臓器浸潤症例や3~4群リンパ節転移症例に比較して予後不良で長期生存例がなく, その予後向上にはより効果的な化学療法の開発が期待される.
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