抄録
1986年2月から1992年3月までの6年間にAuto-Sutureを用いて100例の胃全摘術を施行した. 今回は主に術後合併症を中心として検討し, 若干の文献的考察を加えて報告する.
われわれは最近胃全摘術に際して, 膵体部の切離にTA 55-4.8を使用し, 食道空腸吻合をPurstringと25G-PCEEA, そして空腸断端はGIAを用いて閉鎖している.
術後合併症として, 食道空腸吻合のleakageが4例, 空腸断端のleakageが2例, 吻合部出血が3例, そして吻合部狭窄は非常に少なく1例に見られた.
これらの術後合併症はAuto-Sutureの導入初期に集中しており, 最近は器械の改良と技術的な進歩により急速に減少してきている. 今後さらに経験を積むことにより, より速く, より安全な胃全摘術が行えるものと考えている.