抄録
Multifocal demyelinating neuropathy with persistent conduction block (Lewis-Sum-ner syndrome)の1例を報告した. OKT4/8比とTリンパ球幼若化反応の低下, 抗ミエリンIgG抗体陽性を認め, 病態と免疫の関連が考えられた. 各種治療を施行し次の結果を得た. 1)Predonisolone (PSL)投与でconduction block (CB)改善を認めたが握力は変化せず, PSLの効果は不十分であった. 2)PSLとcyclophosphamide (CP)の併用投与でCBはさらに改善したが握力は変化しなかった. しかし白血球減少によるCPの中止でCB悪化と握力低下を認め, 併用投与が症状の進行を抑制する可能性が示唆された. CPは副作用のため長期投与には不適と考えられた. 3)PSLとmizoribine (MZB)の併用投与ではCBの改善と抗ミエリン抗体陰性化を認めたが, 握力は徐々に低下した. MZBは副作用は認めなかったが効果は不十分と考えられた. 4)現在γ-globulin投与を行っているが効果は認められていない.