抄録
1991年9月から19カ月間に骨・軟部原性肉腫7例(男女比3:4;平均18.7歳;PS1, 2)に行った95回の化療の副作用を評価した. 2, 000/μ1未満のWBC減少は56.9%で, その程度と発熱の度合は相関し, 2回の敗血症をみた. rhG-CSF62クール中, 80.6%が有効で, その副作用は軽度であった. 8g/dl未満のHB減少は4回, 7×104/μ1未満のPLT減少は10回に生じた. 要治療の嘔吐は22.1%で, 塩酸グラニセトロンの副作用はほとんどなかったが, その投与には再考を要した. メスナはIFOの出血性膀胱炎の予防に有用であったが, 尿糖, ケトン体が特にIFOと他剤併用で出現した. 一過性の意識障害, 言語障害, 見当識低下, いらいら感, 呼吸抑制はIFOまたはメトクロプラミドなどの制吐剤との相乗作用と考えた. 動悸, 電解質の異常, GOT・GPTの上昇, 口内炎, 下痢は一過性であった. 最終時点で生存6例(CDF3例, NED1例, AWD2例), 死亡1例(DOD)で, 化療死はなかった.