電子写真学会誌
Online ISSN : 1880-5108
Print ISSN : 0387-916X
ISSN-L : 0387-916X
論文
感熱紙用高保存性顕色剤の開発(1)
冨永 信秀
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 34 巻 2 号 p. 68-75

詳細
抄録

本研究では,感熱紙における記録保存性の向上を目的として,高保存性顕色剤の開発を進め,染料と顕色剤の発色ならびに安定性について,分子軌道計算にもとづいて考察し,顕色剤の分子デザインを行った.その結果,変異原性陰性の2,4-ジヒドロキシ-2-メトキシベンズアニリド(SV-3)を新たに見い出した.
分子シュミレーションにより,SV-3は電子受容性の顕色剤として働き,電子供与性の染料との間に電荷の移動が起こりやすい分子軌道を有していることが分かった.また,それぞれの軌道間の重なりが大きくとれる分子構造が発色の保存性に重要であることが明らかになった.

著者関連情報
© 1995 一般社団法人 日本画像学会
次の記事
feedback
Top