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脳実質内緊張性気脳症の2例
鈴木 謙介高畑 剛神林 智作杉田 京一園部 眞高橋 慎一郎
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1995 年 49 巻 8 号 p. 677-680

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抄録

頭部外傷後に生じる気脳症は少なからず経験される疾患である. その中で緊急に対応するべき緊張性気脳症のうち比較的まれな脳実質内の緊張性気脳症を2例報告する.
いずれも外傷より約2カ月後に発症しており, 受傷時にCT上脳挫傷を認めた部位に一致して気脳症が発症した. 2例とも髄液鼻漏が存在しており, 腰椎穿刺後に緊張性気脳症が出現した. 文献的には緊張性気脳症の18.6%, 緊張性脳内気脳症の80%が手術や腰椎穿刺などの手技に合併したものであった. 外傷性脳挫傷が存在し, 髄液鼻漏を合併した場合, 腰椎穿刺には充分な注意が必要であろう.

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© 一般社団法人国立医療学会
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