医療
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フェノチアジン系薬剤急性中毒2例における血中濃度動態
小山 和弘菊野 隆明猪 芳亮市来嵜 潔村越 功治城川 裕美石井 漱一
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1996 年 50 巻 11 号 p. 772-775

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抄録
フェノチアジン系薬物急性中毒2例に対してHPLCにより血中濃度を測定した.
症例1: 69歳女性, レボメプロマジンを推定3000mg服用し, 服用から約17時間後に昏睡状態で入院した. レボメプロマジン血中濃度が2018ng/mlあり, 入院後心停止状態になった. 蘇生後血液吸着を行い血中濃度が35ng/mlまで低下したが症状の改善はなかった.
症例2: 58歳女性, チオリダジンを推定1000mg服用し, 服用から約8時間後に昏睡状態で入院した. チオリダジン血中濃度が1895ng/mlあった. 入院から35時間後, および60時間の血中濃度がそれぞれ428ng/ml, 427ng/mlあり, 血中濃度動態は2コンパートメントモデル様を示していた.
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