1997 年 51 巻 1 号 p. 12-16
われわれは従来の一般外科領域における内視鏡外科手術の手技を応用して, 新しく整形外科領域の脊椎手術における腰椎前方固定術の実験的研究を行ってきた5と1995年8月より現在までに, L4-5椎間板疾患に対し気腹法・吊り上げ法併用による腹膜外路法・腹腔鏡下前方固定術という我々独自の方法で腰椎疾患4例に臨床応用を行った. 年齢は, 35歳~47歳男性3例, 女性1例. 疾患は, 腰椎椎間板ヘルニア, 腰椎変性すべり症であった. 今回, 外科的立場から腹膜外路法による術野の展開方法および手術手技を中心に検討したので報告した. 本手技は, 腸管損傷の危惧およびガス塞栓の危惧がなく, 術野は広く保たれ, 安全かっ確実な方法と考える.