医療
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脛骨遠位部骨折に対する髄内釘固定術
土田 敏典尾島 朋宏山城 輝久
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キーワード: 脛骨骨折, 髄内釘固定術
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1997 年 51 巻 10 号 p. 471-475

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抄録
我々は脛骨遠位部骨折に対し, 横止め式髄内釘固定術を行い, その治療成績を調査した.
対象は11例で, 男性5例, 女性6例, 受傷時平均年齢57.7歳であった. 骨折型は, AO分類上, 43.A型が7例, 43-C型が4例であった. 1例に脛骨骨幹部骨折を合併していた. 腓骨骨折を10例に認めた. 使用した髄内釘は, unreamed tibial nailが10例, Russel-Tailor釘が1例であった. 全例に上下の横止め螺子を使用した. 結果は, 臨床的にはJOA-scoreは平均98.1点であった. Burwellの判定基準では, 臨床的には全例良好な成績であった. X線学的には, 10例は解剖学的に満足できる成績であった. 不良例を1例に認め, 10度の脛骨内反変形をきたしていた. 閉鎖性髄内釘固定術は軟部組織に対し, 安全で有効な手術法である. しかし, 髄内釘固定術は, 骨折の粉砕度が大きい症例に対しては不十分と思われた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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