医療
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包括的治療により良好なコントロールが得られた重症喘息児の1例
松田 健太郎松嵜 くみ子大矢 幸弘飯倉 洋治恩田 威文赤澤 晃
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1997 年 51 巻 10 号 p. 482-485

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抄録

発作コントロールに苦慮した思春期喘息の1例を報告する. 症例は11歳男児, 1歳9ヵ月時を初発とする非アトピー型の重症喘息児であり, 3歳時当科に紹介されるまで2年間で27回のべ380日の入院管理, 2度の呼吸管理を要していた. 当科に紹介後, 急性期症状寛解後ステロイド離脱の目的で施設療養の適応となった, 6年間の療養後再び当科での管理となったが, 感染や精神的因子に起因すると思われる発作を繰り返していた. これらの問題に対応するため我々は従来の喘息治療, 家族教育に加え心身学的観点からの治療も並行して行うことにより良好な経過が得られた. 重症, 難治性喘息児の治療にあたっては包括的アプローチ, 治療が不可欠と考えられた.

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