医療
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新臓器移植法と意思表示カード
雨宮 浩
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1997 年 51 巻 10 号 p. 490-491

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抄録

心停止後に臓器をいただく「角膜及び腎臓の移植に関する法律」に代り, 脳死の遺体を提供者とした「臓器の移植に関する法律」が公布された. 新法においても, 心停止後の遺体からの腎臓, 角膜の提供は, 旧法通りに本人の生前の意思あるいは家族の意思により行なうことができる. しかし, 脳死提供者として心臓, 肺, 肝臓, 膵臓, 腎臓などを提供するには, 本人の生前の書面による提供意思の表示と, あわせて臓器提供のための脳死の判定にしたがうこと(脳死判定の結果により死亡となる)を書面により意思表示することが要求されている. わが国で臓器移植を開始するには, まずは臓器提供の書面による意思表示を国民に実行してもらうことが絶対条件であり, そのためには新法に則った書式の迅速かっ大規模なる普及が要求される.

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© 一般社団法人国立医療学会
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