1997 年 51 巻 6 号 p. 270-274
ベーチェット病の経過中に発生した黄色肉芽腫性腎孟腎炎の1例を報告した. 症例は56歳女性. 発熱, 食欲不振がみられ, ベーチェット病の増悪と診断された. ステロイドパルス療法および抗生剤投与を行い一時軽快したが再び発熱. 腹部CTにて右腎に異常な腫瘤が認められ当科受診となった. 臨床検査所見, 画像所見から右腎周囲膿瘍と診断. 排膿目的で手術を行ったが, 腎および腎周囲に膿瘍を認めず, 右腎摘除術を施行した, 組織学的に黄色肉芽腫性腎孟腎炎と診断された. 術後経過は良好で症状は軽快した. ステロイド剤の長期使用による易感染性が本疾患発症の原因と考えられた