医療
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原発巣切除後8年目に遠隔転移を来した乳腺悪性葉状腫瘍の1例
朝戸 裕鍋島 一仁亀井 秀策隈本 雄介原 彰男牛島 康栄林 博隆石引 久彌
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1997 年 51 巻 6 号 p. 275-278

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抄録

まれな経過をたどった乳腺悪性葉状腫瘍に, 顎下腺の多型性腺腫を合併した1例を経験したので報告する.
症例41歳女性. 乳腺悪性葉状腫瘍が大胸筋に浸潤しており定型的乳房切除術を施行したが, 腋窩リンパ節転移はなかった. その1年後から局所再発を5回繰り返しその都度局所切除を行い, 肋骨も部分切除した. 初回手術後8年目に腰部皮下に遠隔転移が出現したのでこれを切除し. 同時に下顎部の多型性腺腫も切除した. その後肺, 脊椎管内にも転移し, さらに腰部皮下に再発した皮下腫瘤が急速に増大し, 広範な皮膚潰瘍を形成し, 貧血, 低栄養状態が進行し, 乳房切除術後10年8ヵ月で死亡した

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